カウンセリングの世界では「がんばって!」という言葉は、タブーだと聞いたことがあります。けれども、私の世代は、この言葉をいつも当たり前のように聞いて育ちました。遊びでも運動でも勉強でも仕事でも「がんばる」ことが美徳で、がんばらないと落ちこぼれてしまう、そんな空気の中で生きてきたように感じます。
ところが聖書にとても興味深い御言葉があります。「主が家を建てるのでなければ、建てる者の働きはむなしい。主が町を守るのでなければ、守る者の見張りはむなしい。あなたがたが早く起きるのも、おそく休むのも、辛苦の糧を食べるのも、それはむなしい。主はその愛する者には、眠っている間に、このように備えてくださる。」(詩篇127:1,2 新改訳)
「早く起きる」「おそく休む」「辛苦の糧を食べる」は、「がんばる」ことです。「家を建てる」「町を守る」は、「働き」です。主は、人が眠っている間に、働きのためのすべての備えをして下さる、と言うのです。愛する者のために。
そう言えば、聖書の世界では、一日は朝ではなく夕から始まります。「夕があり、朝があった。」(創世記1:5)とある通りです。人が自らの力を頼りに働きを始める朝ではなく、神が備えを始める夕から一日が始まるのです。
このことを信仰もって受け止めるときに、もっと気楽に、肩の力を抜いて、穏やかに、しかも確実に働きを成し遂げることができるではないでしょうか。
コメント