私の知り合いに三浦綾子の読書会を組織して全国を周り、ときには海外にまで足を延ばして講演している牧師がいます。彼からこんな話を聞きました。
三浦綾子の「氷点」を通して、人間になくてはならないものを捉えることができる。それは人生の目的・自分の存在価値・罪の赦し・将来の希望である。
「なるほど」と思いました。「なるほど」と言うのは、人間になくてはならないものが4つあるという彼の指摘です。
さて、主イエスはこう言われました。「人の子は、失われた者を捜して救うために来たのです。」(ルカ19:10)
「失われた者」とは、私たち一人ひとり、つまり「人間」を指していることは明かですが、分かりづらい表現です。けれども、創造者なる神の視点に立つと理解できます。人は、本来神の愛の対象として神と共に歩む者として創造されたのです。ところが人は、神を捨て、離れて生きる者となりました。神の目からは、人は神との交わり、関係を失った「失われた者」なのです。「失われた者」という言葉には、愛する者を失った神の悲痛な叫びさえ感じます。
「人生の目的」「自分の存在の価値」「罪の赦し」「将来の希望」は、創造者なる神との関係を失った結果、人が見いだせなくなったものです。
神のひとり子である主イエスは、こうした私たちを救うために「人の子」となってこの地にお出でになられたのです。そして今も生きて働いておられます。
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